介護施設(老人ホーム)の実体

介護施設(通称 老人ホーム)の基本的な考え方は「医療施設ではないので自宅でできる程度の介護を施設が代行する」ということです。ですから治療が必要になれば、病院に行ったりもします。
老人ホーム施設に入所される方のほとんどは、入所の直前まで自宅で過ごされていた方です。ですから「施設=家」であり、いつでも外出ができますし外出制限などもありません。
もちろん施設へは、いつでも戻ることができます。



 ある施設での実際のできごと

日本人の大多数の人はお正月を特別な日だと考えています。
家族や親戚が集まり、新年のご挨拶、今年一年の幸せを願って初詣に行ったりします。そういう特別な日なので、遠く離れた親戚まで一同に介し年に一度だけ郷里に戻ったりするのです。
しかし・・・
老人介護施設に入所している方々への家族の思いは様々なようです。
ほとんどの施設の定員は50〜80名程度ですが、どこも満室状態です。通常の考え方をすると、お正月はみんな家族が迎えに来て、自宅で正月を過ごすと思いがちですが、実体は正反対なのです。お正月こそ、施設で過ごしてもらいたい・・
悲しい現実なのです。ある施設では80名の入所者のうち正月に自宅に戻られたのは、たったの3人だったそうです。
そればかりか、ショートステイという短期間の入所システムを利用して、正月だけ介護が必要なご老人を預けに来る家族もいるそうです。
介護される本人と家族との意向の違いがはっきりと浮かび上がってくる現実があるのです。


お嫁さんとの関係


お嫁さんとの関係

息子のお嫁さんとの関係・・嫁&姑問題は昔からある話です。
どうしても世代ごとに考え方や文化の違いがありますし、昔の人から見ると現代の若いお嫁さんのすることなすこと・・全てが気に入らないという考えになるのも判らなくはありません。
しかし、姑が要介護になった時・・様々な問題が起こるのです。
お嫁さんにしてみれば、これまで何十年も散々な対応の中、じっと我慢していたとします。そんな姑が要介護になった時、自分の親と同じように真心を込めて介護をしてあげられるでしょうか?
それはなかなか現実的には難しいことです。
いざ身体が動かなくなって、気持ちよく面倒をみて欲しい・・と考える方が間違っているかも知れません。むしろ立場が逆転したことにより、悪い事を考えるお嫁さんもいるとのことですから・・

人は自分の思った通りには動いてくれません。新しく家族になったのであれば、着地点を見つけてお互いに良い関係を作っておくことが老後の幸せのためでもあるのです



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老人介護とその実体


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