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医療保険は本当に必要か?

医療保険は、入院や手術、入院後の通院など、治療のためにかかる費用を保障する保険です。老後の不安の一つに「健康」を上げる方が大勢いらっしゃいますが、年金生活になってまで医療保険に加入しておく必要があるか考えてみました

まず、病気になって入院、手術をした場合、どれくらいの自己負担金が必要なのかを見てみます


・がん        約90万円(自己負担額 約27万円)  入院日数  約30日
・脳卒中       約200万円(自己負担額 約60万円) 入院日数 約101日
・急性心筋梗塞   約85万円(自己負担額 約26万円)  入院日数  約20日
・片足骨折      約60万円(自己負担額 約12万円)  入院日数   約7日
・椎間板ヘルニア 約100万円(自己負担額 約30万円) 入院日数  約16日


老後に病気にかかるようなものは、ほとんど全てが公的な健康保険の対象となります。つまり自己負担は3割です。
がんの場合で自己負担額は約27万円です。一番高い脳卒中で約60万円です。
また高額療養費制度により一定額以上は払い戻されるのです(下記計算式参照)。

[ 高額療養費制度の「負担限度額」の計算式 ]

・高所得者
 標準報酬月額53万円以上: (総医療費−500,000円)×1%+150,000円

・一般所得者
 標準報酬月額53万円未満: (総医療費−267,000円)×1%+80,100円

・低所得者
 市区町村民税の非課税者等: 35,400円

一度、病院で自己負担分を支払った後で、上記計算式で求められた金額を引いた分が全額還付されます。


 実際のシュミレーション
・△さんが肝臓を患い入院しました
  治療費合計が100万円
  自己負担額   30万円(3割負担・・差額ベッド代や食費は除きます)
  高額療養費制度を利用すると・・
    (1,000,000円―267,000円)×1%+80,100円=87,430円

つまり・・・
病院で支払った300,000円から負担限度額87,430円を差し引いた212,570円が全額還付されます



一般的な所得の人であれば、1ヶ月の自己負担が約8万円を超えたら、それ以降の負担は医療費の1%で済むので、大半の方は治療費自体は1か月に9万円程度の自己負担に収まることになります




100万円かかる治療をするような大きな病気でさえ、自己負担は87,430円で済みます。
また会社員や公務員が仕事以外で病気やケガをし、仕事を休む場合には傷病手当金の対象となります。傷病手当金というのは、休業中に本人とその家族の生活を保障するために、国によって設けられた制度で、毎月の給料の6〜7割程度のお金が1年半を限度に支給されるのです(病気やけがによって会社を休み、給料が支払われない場合に受けられる救済制度)。

治療以外の差額ベッド代や入院中に食べる食事代などは別途かかりますが、会社員や公務員の場合は、傷病手当金で自己負担額の大部分はまかなえてしまうのです

矢 治療費以外にかかるコスト

入院時の食事代:1食あたり260円(260円×3回×30日)   1ヶ月:23,400円
差額ベッド代:2〜4人部屋で1日3,000程度            1ヶ月:90,000円
雑費                                    1ヶ月:20,000円

合計: 133,400円
※治療費自己負担分と合わせると、月間総自己負担額は約21万円程度となります

<備考>
会社員で毎月の給料が30万円程度の方の場合
・治療費               100万円
・国民健康保険           -70万円
・高額療養費制度         -21万円
・傷病手当金(月収30万の方) -20万円 
・食事、差額ベッド、雑費      13万円
              (合計)    2万円・・・・・最終的な自己負担金



ではなぜ医療保険が存在するのか?

矢 自己負担額を現金で用意できない人

例えば自営業の人は傷病手当金制度はありません。つまり自己負担金は全額を自分で用意する必要があります(会社員のような有給休暇もないため無収入になる恐れがあります)

また会社員の方でも毎月の給料が少なく(傷病手当金が少ない)、預貯金がほとんど無い人は「安心を担保する」程度の医療保険加入なら良いかもしれません
傷病手当金制度の1ヶ月半以上の入院が必要となる持病がある人も同様です

一番気になるところは・・
定年退職した後の医療保障ですが、これも若いうちから20年も医療保険を支払い続けると総支払い額は1000万円以上となります(下記参照)。
これを貯蓄にまわして備えることが良いと思います


生命保険文化センターによると、生命保険や個人年金保険の加入者のうち、実際に支払っている年間保険料は 男性で平均28.6万円、女性で19.6万円。
1世帯平均では年間52.6万円にもなります(1ヶ月4.4万円)。

10年で526万円、20年で1052万円です!

明らかにここまでは必要ないと思います(貯蓄しておくほうが賢明です)








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